災害時に犬と避難するキャリーの備え
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災害のとき、愛犬と一緒に避難するために、犬の避難には、キャリーを用意しておくと安心です。ただ、キャリーは「買って置いておく」だけでは役に立ちません。環境省や自治体の資料では、日頃からキャリーやケージに慣らしておくことが、備えの基本として紹介されています。この記事では、同行避難の考え方、避難でキャリーが果たす役割、日頃の慣らし方、持ち出し品、避難先ごとの注意点をまとめます。避難にも使える、持ち運びやすいキャリー4点も紹介します。
編集部の
- 避難用のキャリーは「持ち出せる」「入れる」「慣れている」の3つが大切
- 買って置いておくだけでなく、普段から部屋に置いて慣らしておく
- 肩に掛けたり両手を空けたりできる、持ち運びやすい形を選ぶ
- 避難先ごとのルールは、お住まいの自治体の案内で確認する
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01
結論:避難に向くキャリーは「持ち出せる」「入れる」「慣れている」

犬と避難するときのキャリーは、愛犬を守り、はぐれにくくするための道具です。環境省や自治体の資料から、押さえたいポイントを3つにまとめました。
| ポイント | 具体的なこと |
|---|---|
| 持ち出せる | 両手が空くか、すぐ持てるか。重くて動けない状態にならないか |
| 入れる | 愛犬の体重と体長に合うサイズで、落ち着いて入れる大きさか |
| 慣れている | 普段からキャリーを安心できる場所にして、入ることに慣らしておく |
この3つのうち、いちばん大切なのは「慣れている」ことです。川崎市の資料には、キャリーバッグに入ろうとせず、同行避難をあきらめざるをえなかった例があると書かれています。どんなによいキャリーも、愛犬が入ってくれなければ使えません。
⚠️ 災害時は、飼い主自身の安全が最優先です。避難の判断や、ペットの受け入れ方法は、自治体や災害の種類によって異なります。お住まいの自治体の案内と、かかりつけの獣医師に、事前に確認してください。
02
同行避難とは?まず知っておきたい基本

「同行避難」という言葉を、聞いたことがある方も多いでしょう。環境省の資料では、同行避難を、災害時に自宅にとどまることが危険だと判断したとき、人とペットの双方の被害を避けるために、ペットを連れて行う「避難行動」と説明しています。飼い主の自己責任のもとで、ペットを連れて避難することが前提です。
同行避難は、避難所で同じ部屋にいることではない
ここで知っておきたいのは、同行避難は、避難先で人とペットが一緒に過ごせることを約束するものではないという点です。環境省の資料には、体育館などに避難者が入りきらない場合、ペットは飼い主とは別の場所につないで世話をする必要が生じることが書かれています。その場合、せめて雨風をしのげる場所を探しておく必要がある、とされています。
京都市の「ペットの防災手帳(犬編)」でも、指定避難所には犬用の備蓄はなく、犬の受け入れ場所は屋外が多いと案内されています。安全な自宅の上階や、親戚・知人の家などへの避難も検討するよう、書かれています。
避難先ごとの受け入れは、自治体で違う
避難所のルールは、自治体や避難所ごとに異なります。「どこに避難するか」「ペットはどこで過ごすか」は、災害が起きる前に、自治体のホームページや窓口で確認しておきましょう。
03
避難のとき、キャリーが果たす役割

避難でキャリーが役に立つ場面は、大きく3つあります。
1. 逃げ出しや事故を防ぐ
川崎市の資料では、避難所では原則として、犬を放して飼うことはできないとされています。逸走(逃げ出し)の防止や、人やほかのペットへの危害を防ぐために、リードでつなぐか、キャリーバッグなどの中に入れておく必要がある、と説明されています。
災害時は、音や揺れで犬がパニックになることがあります。京都市の資料でも、同行避難の準備例として「リードを付ける」「小型犬はキャリーバッグやケージに入れる」ことが挙げられています。
2. 安心できる「自分の場所」になる
川崎市の資料には、キャリーバッグやケージが安心できる場所になっていると、とっさにその中へ避難して、室内の倒れた物や落ちてきた物から身を守ることにもなる、と書かれています。さらに、キャリーバッグなどは、避難先での寝床にも使えるとされています。
3. 避難所のトラブルを減らす
環境省の資料では、避難所では鳴き声や吠え声、人を怖がる、かむ、においや抜け毛などがトラブルの原因になるとしています。キャリーに入っていれば、人やほかの犬との距離を保ちやすく、愛犬も飼い主も、ストレスを減らしやすくなります。
ただし、キャリーに入れておけばすべて解決、というわけではありません。キャリーの中でも、暑さや寒さ、長時間の閉じ込めによる体への負担には注意が必要です。体調が心配なときは、避難先の担当者や獣医師に相談してください。
04
避難に使うキャリーで、確認しておきたい条件

「災害用のキャリー」という特別な規格があるわけではありません。普段使いのキャリーを、避難でも使えるかどうかの目で、見直してみましょう。確認したいのは次の5点です。
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| サイズ | 愛犬の体重が、商品の対応体重を超えていない。体長に対して窮屈すぎない |
| 丈夫さ | 生地や縫い目、ファスナー、持ち手の付け根に傷みがない。形がくずれにくい |
| 持ち運び | 手持ち・肩掛け・背負いなど、手が空く持ち方ができるか。長く持っても疲れにくいか |
| 出し入れ | 上が大きく開くタイプは、出し入れしやすく、そのまま様子も見やすい |
| 通気 | メッシュ窓などで空気が通るか。熱がこもりにくいか |
環境省の資料にも、ケージの上部が開くタイプなら、ペットの出し入れが円滑になる、という趣旨の記述があります。
スリングは「移動用」。災害時は注意が必要
環境省の資料は、スリング(斜め掛けの抱っこバッグ)は、移動時には便利だとしつつ、災害時に使うときは、転倒や逃げ出しの防止などに注意が必要だとしています。避難時はスリングだけに頼らず、リードや首輪の装着も確認しましょう。スリングの使い方は犬のスリングの入れ方・使い方で解説しています。
重い荷物は、カートで運ぶ方法もある
川崎市の資料には、ペットの防災用品として、重い荷物を運ぶための「キャリーカート」が挙げられています。キャスター付きキャリーについては、キャスター付き・ハードキャリーの選び方で、ソフトキャリーとの違いを比較しています。
キャリーが手元にない場合の連れ出し方は動物病院にキャリーがないときの連れて行き方も参考になります。ただし、避難では、できるだけ事前にキャリーを用意しておくのが安心です。
05
備えに加えたい、持ち運びしやすいキャリー4点

ワンダーバッグのキャリーから、丈夫さ・両手があくか・折りたためるかに着目して4点を選びました。いずれも災害専用の製品ではなく、普段のお出かけで使いながら、避難のときにも持ち出せるキャリーです。価格は税込みの最安値で、対応体重は目安です。
PICK 01形がくずれにくい、容量32Lのボックス型
犬 キャリーバッグ オックスフォード 大容量 ブラック
¥6,980〜(税込)
丈夫なオックスフォード生地でつくった、容量32Lのボックス型キャリーです。形がくずれにくく、手持ちと肩掛けの2WAYで持てます。通気メッシュがあり、中の様子も見やすい作りです。ゆとりのあるサイズで、体重の軽い小型犬に向きます。
- 対応体重
- 〜8kg目安
- 特徴
- ボックス型/手持ち・肩掛け2WAY/通気メッシュ
- 素材
- オックスフォード生地/通気メッシュ
- カラー
- ブラック
PICK 02使わないときは折りたためる、〜10kgのキャリー
犬 キャリーバッグ キルティング 折りたたみ 〜10kg 全3色
¥7,980〜(税込)
キルティング生地のショルダー型キャリーです。側面のメッシュから風が通り、中の様子も見えます。使わないときは折りたたんで、旅行カバンや防災用のバッグにしまえます。対応体重は〜10kgと、小型犬の中では余裕があります。
- 対応体重
- 〜10kg
- 特徴
- ショルダー型/折りたためる/側面メッシュ
- 素材
- ポリエステル/中綿キルティング/通気メッシュ
- カラー
- ベージュ/ピンク/カーキグリーン
PICK 03両手があく、前でも後ろでも使える2WAYリュック
犬 抱っこリュック 前後2WAY 巾着 〜6.8kg 全3色
¥4,980〜(税込)
前抱きにも背負いにも使える2WAYのリュックです。両手があくので、荷物を持ったり、子どもの手を引いたりしながら歩けます。上部は巾着になっていて、口元を絞れるので、飛び出し対策にもなります。外ポケット付きです。
- 対応体重
- 〜6.8kg
- 特徴
- 前後2WAY/巾着/外ポケット
- サイズ
- 38×20×40cm
- カラー
- ベージュ/ブルー/グリーン
PICK 04底板入りで形が安定する、キャンバストート
犬 キャリートート キャンバス 底板付き 全4色
¥4,980〜(税込)
硬い底板が入ったキャンバス地のキャリートートです。底がたわまないので、中の子の姿勢が安定します。側面のメッシュ窓から風が通り、外の様子も見えます。普段のお出かけで使い慣らしておくと、避難のときも落ち着きやすくなります。
- 対応体重
- 〜7.5kg
- 特徴
- 底板入り/通気メッシュ窓/トート型
- 素材
- キャンバス生地/底板入り/通気メッシュ
- カラー
- クリーム/ブラウン/グリーン/ミルクティーピンク
| タイプ | 持ち方 | 対応体重 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| ボックス型(32L) | 手持ち・肩掛け | 〜8kg目安 | ¥6,980〜 |
| 折りたためるショルダー型 | 肩掛け・手持ち | 〜10kg | ¥7,980〜 |
| 2WAYリュック | 前抱き・背負い | 〜6.8kg | ¥4,980〜 |
| 底板入りトート | 手持ち | 〜7.5kg | ¥4,980〜 |
06
日頃の備え:キャリーを「安心できる場所」にしておく

環境省の資料は、ケージやキャリーバッグを、動物病院に連れて行くときだけに使わず、日頃から扉を開けた状態で部屋に置いておくよう勧めています。愛犬がくつろいだり眠ったりする「安心できる場所」として慣れておくと、避難のときにすばやく連れ出せ、避難生活でケージの中で過ごす時間が長くなっても、ストレスを減らしやすくなる、という考え方です。
具体的な慣らしの手順や、嫌がるときの対処は、キャリー・リュックを嫌がる犬の慣らし方で詳しく解説しています。避難に備えるときは、無理に入れず、時間をかけて進めましょう。不安があるときは、かかりつけの獣医師やトレーナーに相談してください。
07
避難用に、キャリーと一緒に準備したいもの

キャリーだけでは、避難生活はできません。京都市の「ペットの防災手帳(犬編)」では、愛犬用の備蓄品と、持ち出す優先順位の例が示されています。キャリーは、命に関わる最優先の持ち出し品の中に入っています。
| 優先度の高い持ち出し品(京都市の例) | ポイント |
|---|---|
| 療法食・薬 | 持病のある犬は特に重要。病名や薬の種類・量を記録しておく |
| ペットフード・水(少なくとも5日分) | 川崎市は、最低5日、できれば7日分としている |
| キャリーバッグ・ケージ | 普段から慣らしておく |
| 首輪・リード(伸びないもの) | 予備もあると安心 |
| ペットシーツ・排せつ物の処理用具 | 使い慣れたものを用意する |
| 食器 | 軽くて持ち運びしやすいもの |
首輪抜け・リード切れに注意
川崎市の資料によると、犬はパニックになると、首輪が抜けたり、リードをかみ切ったりすることがあります。普段から首輪の傷みを点検し、緊急時は金属製の鎖を使うか、二重の首輪にして2本のリードをつけると、より安全だとされています。
はぐれたときのための、飼い主の明示
川崎市の資料は、ペットと離れてしまったときのために、鑑札や狂犬病予防注射済票、マイクロチップなどで、飼い主がわかるようにしておくことを勧めています。迷子札を付けるのもよいでしょう。住所や電話番号が変わったときは、変更の手続きも忘れずに行いましょう。
あると便利なもの
- ポリ袋・ビニールシート・毛布・バスタオル(川崎市の資料に記載)
- ペット用の靴下(がれきなどによるけが防止。子ども用でも代用できるとされています)
- 保温材(カイロなど)・保冷剤
- ペットの写真(飼い主と一緒に写っているもの)
- 愛犬の情報をまとめた防災手帳や、かかりつけの動物病院の連絡先
避難用品は、定期的に中身を見直しましょう。フードや水、薬には使用期限があります。キャリーも、傷みや汚れがないか、あわせて確認してください。
08
避難先ごとの注意点:避難所・自宅・車・知人宅

避難先によって、キャリーの使い方や注意点が変わります。京都市の資料を参考に、整理しました。
| 避難先 | 注意点 |
|---|---|
| 指定避難所 | ペットの受け入れ場所は屋外が多い。避難所のルールに従い、飼い主が責任をもって世話をする |
| 自宅 | 安全を確認してから。支援物資や情報は、必要に応じて避難所へ取りに行く |
| 車の中 | 車内の温度に注意し、十分な飲み水を用意する。長時間車を離れるときは、犬を安全な場所に移す |
| 親戚・知人の家・施設 | 後でトラブルにならないよう、条件や費用などを、覚書にしておく |
車の中で過ごす場合、キャリーが熱くなったり、冷え込んだりしやすくなります。季節によって、車内の温度は大きく変わります。愛犬の様子をこまめに確認し、体調に不安があるときは、すぐに獣医師に相談してください。
⚠️ 災害の状況によっては、ペットを連れて避難できないこともあります。人命が最優先です。無理にペットを連れ出そうとして、危険な目にあわないようにしてください。
09
よくある質問(FAQ)

犬を連れて避難するとき、キャリーは必ず必要ですか?
必ず必要、と決まっているわけではありません。ただ、環境省や自治体の資料では、避難所では犬を放して飼えないため、リードでつなぐか、キャリーなどに入れておく必要があるとされています。小型犬は、キャリーバッグやケージに入れて避難することが、準備例として示されています。避難先のルールは自治体で異なるので、事前に確認してください。
避難所で、犬は飼い主と同じ部屋にいられますか?
同じ場所で過ごせるとは限りません。京都市の資料では、指定避難所の多くは、犬の受け入れ場所が屋外だと案内されています。環境省の資料にも、人が入りきらない場合、ペットは別の場所につないで世話をする、という記述があります。お住まいの自治体の方針を確認し、自宅の上階や親戚・知人の家に避難する選択肢も考えておきましょう。
愛犬がキャリーを嫌がります。どうすればいいですか?
環境省の資料では、動物病院に行くときだけに使わず、日頃から扉を開けて部屋に置き、くつろいだり眠ったりする場所として慣らすことが勧められています。おやつを使い、少しずつ時間を延ばしましょう。どうしても入らないときは、無理に入れず、獣医師やトレーナーに相談してください。詳しくは「キャリー・リュックを嫌がる犬の慣らし方」で解説しています。
避難用のフードや水は、何日分用意すればいいですか?
京都市の資料では、フードと水は少なくとも5日分とされています。川崎市の資料では、最低5日、できれば7日分です。療法食や薬が必要な犬は、特に多めの用意が大切です。普段食べ慣れているものを選び、定期的に使用期限を確認しましょう。
スリングやリュックだけで避難してもいいですか?
移動には便利ですが、環境省の資料は、スリングを災害時に使うときは、転倒や逃げ出しの防止に注意が必要だとしています。リードや首輪の装着を確認し、避難先で犬を安全に過ごさせるための、ケージやキャリーも用意しておくと安心です。
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まとめ

犬との避難に備えるキャリーは、持ち出しやすいこと、愛犬が入れるサイズであること、そして普段から慣れていることが大切です。環境省や自治体の資料でも、日頃からキャリーやケージに慣らしておくことが、備えの基本とされています。
避難所では、犬が飼い主と別の場所で過ごすこともあります。お住まいの自治体のルールを確認し、愛犬の持病や体調は、かかりつけの獣医師に相談してください。今日から、キャリーを部屋に置いて、愛犬が安心して入れる場所にしていきましょう。
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参考・出典
本記事は、公的機関・動物病院・事業者の公開情報を参考に作成しています。
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